ひげまこのひげログ。

アラフォー独身男子のひげまこが、アラフォーの恋愛事情や日々のできごとを妄想まじえて描いております。

アラフォー男子の婚活パーティー激闘編②

どうも。makです。

婚活は戦場だとかリングの上だとかいいますが。

今回はまだまだ婚活初心者、アラフォー男子の話です。

 

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…ボクシングにおいて、もっとも体力を奪う行動は何か。

ステップ?…ウィービング?…ダッキング

それは体力だけでなく、精神をも削る行為。

そう、答えは「空振り」だ。

相手に当たらない焦りとグローブの重さで溜まる疲労。

確実に来るはずの手応え…それがないという虚無感。

 

「まさかいきなり空振りを食らうとはな…」

婚活パーティー開始早々、こうつぶやいたのはmakだ。

「ここがリングの上だということを忘れていたぜ」

 

そう、ここは東京スカイツリー

婚活という戦場に足を踏み入れた男たちの物語。

 

今回のパーティーは「30代男性 vs 20代女性」

そんな若い女性を狙う男性たちにとって現実は甘くなく。

「女性に対して圧倒的に男が多い」状況。

それは人数にして「男性10・女性6」

女性がいる部屋を男性が順番に回っていく今回のルールでは、ほぼ2回に1回は空き部屋があるという状況の中、makたちはどう戦うのか!!!

 

<登場人物紹介> ※詳細は「激闘編①」参照

・mak

 アラフォー独身男子。好きな映画は「恋する惑星

・マルハシ

 アラサー独身男子。最近の趣味は「料理」

・ムラモト

 アラサー独身男子。最近ゴルフをはじめたようだ。

 

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ここがリングの上だということを忘れていたぜ

そう言って立ち上がったのは、makだった。

時刻はすでに11時。

外はすでに雨に変わっていた。

 

隣から聞こえる笑い声が、妙に痛い。

周りが盛り上がってるのに、自分だけ取り残されている感覚。

お金を払ってまでそんな状況を味わうなんて機会、他にあるだろうか。

ふと部屋の外を見ると、ムラモトも一人ソファーに座っていた。

目が合った瞬間、肩をすくめるムラモト。

彼も最初は休憩だ。

どうやら最初から女性と会話できているのはマルハシだけか。

開始1分。周りの状況は理解できた。

あとはどう戦うか、だ。

 

『はい、それでは次の部屋に移動してください』

永遠かと思うほど長かった最初のトークタイムも終わり、次の部屋に移動するmak。

 

あの笑い声の大きかった部屋だ。

部屋に入った瞬間、飛び込んできたのは、ショートカットな女の子の笑顔だった。

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…かわいい。確かにこれはテンション上がる。

前の男性の声が大きくなるのも無理はない。

先ほどまでのお通夜ムードはどこへやら。

堰をきったように話はじめるmak。

結局テンション上がりすぎて何を話したか覚えてないが、

とにかく受け答えも良く話が弾んだことだけは覚えている。

 

『はい、それでは次の部屋に移動してください』

無情にも鳴り響くスピーカーの声。

本当に5分経ったのだろうか。

最初の5分と違いすぎると思いつつ、席を立って次の部屋に移動する。

 

次の扉を開けるとそこにいたのは、ポニーテールな女の子だった。

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これまたかわいい子にテンション上がるmak。

プロフィールカードを交換し、会話する。

趣味は絵を描くことっていいなと思いつつ、

プロフィールをよく見ると…「勤務地:大阪???」

出身地じゃなくって?勤務地???

聞くと今は大阪に住んでいて、今日は朝一の新幹線で来たのだとか。

あとで他の女性とも会話してわかったのだが、実は今回参加している女性6名のうち、実に3名が関東圏外。

東北2名に関西1名。

どんなにいい子だとしても、最初から遠距離なのは、ちとツラい。

上がったテンションがまた下がる。

 

そして盛り上がったところで必ず入る空振りタイム。

もうテンションの制御ができず、後半戦は終始グッタリ。

加えてしゃべり続けのため、喉はカラカラ、お腹はペコペコ。

こりゃーもう料理に期待するしかない!!!

 

気がつくと、時計は12時半近く。

そりゃーお腹も減るわけだ。

最後の人との会話も終わり、待ち構えたように鳴り響くスピーカー。

『それではトークタイム終了です』

『みなさま、お手元のカップリングシートに気になる相手の番号を書いてください』

よし、ツバサ、ぱるる…と書こうとしたmakの手が止まる。

 

ここに来て痛恨のミス。

・・・また番号覚えるの忘れた。

 

女性の名前は覚えているけど、番号を忘れるという罠。

仕方がないので、会話した順番から番号を推測して書き込むmak

 

スピーカーは続ける。

『それではこれからマッチング結果を発表します』

『結果発表後、まず女性から退出いたしますが、マッチングした人は、エレベーターホールで男性をお待ちください』

 

・・・???

ん???退出???

 

え!!!これで終わりってこと!???

ご飯もなく、飲み物すらなく!!!

5分間6人と話して7500円!???

えっっっ!!!

フリートークは???

3人の連携は???

 

混乱するmakをよそに進む進行。

『それでは今回カップルになったのは・・・』

『3組の方々です。』

 

…いやいやいや、ちょっと飯…連携…

 

『男性1番と女性4番、男性6番と女性6番、男性9番と女性5番です』

 

…スピーカーの音がやたら遠くに聞こえる。

泣きっ面に蜂とはこのことか。

自分の番号がないのは、夢と思いたい。

 

 

「なかなかうまくいかないもんですね。

 あなたの名前を書いたのですが」

「カップリングしたんすね、羨ましいっす」

自称気味に、同じ5番の女性に話しかけるmak。

目の前で女性に去られてしまうとは、なんと残酷なシステムだろうか。

 

「あ、じゃあ」

(サラサラサラ)

「これ、私のLINE IDなんで、良かったら連絡ください」

そう言って立ち去る5番女性。

 

え!マジすか!!!

こんなことってある!???

テレレレッテッテッテー(レベルが上がる音)

makは、女性の連絡先を手に入れた。

 

試合に負けても勝負に勝つとはまさにこのことか。

混乱しつつも思わぬ収穫を手に部屋の外に出るmak。

 

外には、すでにマルハシとムラモトがいた。

「makさん、どうでした?」

「どうもこうも、マッチングなし。

 2人はどうっすか。ダメだったら一緒に飯でも食って帰りますか。」

「それが実は・・・僕ら2人ともマッチングしまして・・・」

 

・・・えええ!!!マジっすか。

3組中2組はあんた達かよ!!!

 

「え!makさんマッチングせずっすか!!!」

「えええーーー!!!」

こっちのセリフだ。

驚かれると、余計ツラい。

 

「じゃーお先にどうぞ。女の子たちも待ってるでしょうし。自分は後で帰ります」

そう言って、一人ソファーでコートを着るmak。

マッチングしたカップルたちがエレベーターホールで待ち合わせるなら。

敗者がそこに飛び込むのは勘弁願いたい。

 

しばらくして会場を出るmak。

エレベーターホールに近づくと、声が聞こえてきた。

「したら、まず飯食いに行きましょう!」

スカイツリーでめっちゃ美味いランチ!」

 

やばい、まだいたのか!

あ!と思った時には遅かった。体半分見えてしまった!!!

「あ、makさん…」と一瞬つぶやくムラモトの声。

すかさず身を隠すmak。

そんな自分の情けなさで倒れそうだったが…おかげでその一瞬で…

makは見てしまった。

連絡先をもらった子がそこにいたのを。

 

…まさか身内とカップリングした子の連絡先とは。

連絡先をもらって5分後。

デロデロデロデロデーロン(ぼうけんのしょが消える音)

もらった連絡先は、紙クズとなりました。

 

「ヒャッハー!ゴミはゴミ箱だぜ!!」

変なスイッチが入ったかのように、紙切れをちぎるmak。

どこかで13時のチャイムがなった。

それはまるで試合終了を知らせる鐘のようだった。

 

 

エピローグ???

ソファーで一人時が過ぎるのを待つmak。 

そこに近づく女性が一人。

「あのー」

見ると受付の女性だ。

「実はmakさんに相談がございまして」

女性がもう一歩近づいた。

「このあと、14時から別の場所でもうひとつパーティーがあるんですけど。

 実は今現在、女性の数に対して男性が足りてなくて…」

「もしよろしければ、そちらに参加お願いできないでしょうか」

「…もちろんさっきより割引しますので」

 

頭をよぎるのは、エレベーターホールで盛り上がる仲間たち。

一人だけ残された自分。

makの決断は早かった。

「わかりました。私でよければ、助っ人に参じましょう。」

 

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…30分後。

ところ変わり、ここは東京駅八重洲口。

東京の玄関口とも言える場所を背に、一人の戦士が再び戦場に舞い戻る。

その男の名はmak。

仲間はもういない。今頃は幸せに過ごしているだろう。

こんな戦いに出るのは、もう自分だけで十分だ。

 

電気ひとつない空間に、待ち構えたように口を開けたエレベーター。

はたしてそこは天国か魔界の入口か。

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このエレベーターの扉が再び開く時。

その答えは出るだろう。

 

運命の箱から一歩踏み出し、前を見据えるmak。

「お待ちしておりましたmak様」

にこやかに出迎える黒服たち。

立ち並ぶ個室の扉。

 

さぁ、ここからが第二ラウンド。

試合開始のゴングが鳴った。

 

(③につづく。次回は4/13更新予定です)