ひげまこのひげログ。

アラフォー独身男子のひげまこが、アラフォーの恋愛事情や日々のできごとを妄想まじえて描いております。

アラフォー男子の婚活パーティー激闘編④

どうも、makです。

春はあちこちで就活生を見る季節。

ちなみに就活生の平均企業エントリー数は24〜25社と言いますが。

今回は、1日にそれ以上の女性と婚活した男の話です。

 

(③までのあらすじ)

運営に誘われるがまま、2回目の婚活パーティーに参加したmakでしたが…

 

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…女性たちの前に、またもや撃沈。

そしてまた黒服に誘われるがまま、3回目のパーティーに。

 

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パーティー開始30分前。

時計は16時30分を指していた。

ここは某喫茶店。

奥の席でじっと手を組む男がひとり。

 

その男、makは考えていた。

なぜ2回目、18名もの女性とマッチングしなかったのか。

1回目の反省を活かし、番号はちゃんと覚えて書いていた。

この謎を解決しないことには、3回目のチャレンジも徒労に終わるだろうと。

鍵は、5分間の会話だ。

女性との接触時間は5分間だけ。

この5分間にとった行動こそが、すべてを決定づけたのだと。

 

パーティー開始20分前。

コーヒーはすでに冷めてしまっている。

組んでいた手をほどき、ミルクをかきまぜる。

女性の心理に立って考えてみよう。

果たして、選びたいのはどんな男性か。

今回の女性陣は、曲がりなりにも結婚相手を探しに来ている人たちだ。

ここはコンパの場ではない。

自分はタイプの女性を聞かれた時にこう答えた。

「一緒に自然な時間を過ごせる人」と。

女性陣もそうではなかろうか。

少なくとも、突っ込んでくるトラックのように、いきなり入ってきてハイテンションに喋り散らかす男は…心穏やかに過ごせる相手ではない。

(そうかッ!!!)

ここが喫茶店でなかったら、声を出していたところだ。

思い返してみると、女性陣は、確かに笑っていた。

だがしかし、話をしている間も、そして立ち去り際にも。

女性たちの手が動いている様子はなかった。

つまり、メモる必要すらなかった男性。

彼女たちにとっては、makの5分間は、休憩時間にすぎなかったというわけだ。

 

開始10分前。

最近のケータイは素晴らしい。

調べたら何でもすぐに答えを出してくれる。

…検索『女性の好きな男性のタイプ』

画面はすぐに答えを写した。

『話ばかりする男性より、自分の話を聞いてくれる男性』

最後の戦いの戦略が、今、固まった。

 

開始5分前。

残ったコーヒーを飲み干し、makは会場へと向かった。

雨はすでに止み、傘はもう必要ない。

この様子だと、夜には星が見えそうだ。

 

「お待ちしておりましたmak様」

にこやかに迎える黒服たち。

「では、あちらの部屋にお入りください」

 

開始1分前。

女性が部屋に入ってきた。

「それでは、スタートです」

最後の戦いが始まった。

 

 

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その違和感を最初に感じたのは、二人目だった。

どの部分がと聞かれても、「なんとなく」という他ない。

それほど微かな違和感だった。

だがそれは三人目と話した瞬間、確信に変わる。

女性陣のテンションが、明らかに低いのだ。

今回はこちらからガンガン話す戦法でないにしろ、明らかに何かが違う。

(もしや)

この感覚は、経験がある。

隣に注意を向けると、壁の向こうから聞こえてくるはずの、話し声がまったくない。

(やはりか)

三人目を終えて部屋を出た後、makは周りを見渡した。

前回に比べ、圧倒的に静かな空間。

…明らかに人気(ひとけ)がないのだ。

いったい何が起きているのか。

黒服を捕まえて聞いてみた。

「なんか静かすぎるんですけど」

「ええ、そうですね」

黒服は無機質に言葉を続けた。

「今回の参加は、男性3、女性6ですから」

 

…いったい最低開催人数は何人なのか!!!

そのまま黒服を問い詰めてやりたかったが、次の言葉で踏みとどまった。

「どうしました?次の女性がお待ちですよ」

…確かに女性を待たせるわけにはいかない。

makは次の部屋へと進んだ。

 

気がつくと、もう最後の女性だ。

そりゃあ歴代最少人数、終わるのも圧倒的に早い。

マッチング結果の発表もあっという間だ。

「今回マッチングしたのは1組です」

「2番と6番の方、おめでとうございます」

 

結果はもう書かなくてもわかるだろう。

…合計30名。

これがmakが今日1日でフラれた人数の合計だ。

就活生の平均企業エントリー数は24〜25社。

その状況を就職氷河期と呼ぶならば、私は声を大にして言いたい。

今がまさに「結婚氷河期」だと。

 

…肩を落とし帰路につくmak。

そこに忍び寄る黒い影。

「残念でしたね」

来たか黒服!!!

「makさん、よろしければこの後20時から今日最後のパーティーがあるんですが」

「よろしければ男性の数が足りないので、ご参加いただけないでしょうか」

よくぞ言った黒服よ!!!

俺はてめぇのカモじゃねぇ!!!

瞬間!makの拳が空を斬る。

パンチではない。親指を立ててmakはこう言った。

「今日はもう十分満足です」

「これ以上は蛇足というもの、ありがとうございました」

彼らは悪くない。

足りなかったのは、私の器量なのだから。

その表情は、なぜか晴れやかだった。

 

エピローグ

ボタンを押し、帰りのエレベーターに乗るmak。

さすがに徒労感がハンパない。

疲れた…と思ったのも束の間、2秒としないうちに、エレベーターの扉が開いた。

(もう1階か?)

と思った矢先、開いた扉から乗り込んで来たのは、きらびやかな女性たちだった。

慌てて居住まいを正し、エレベーターの奥に移動するmak。

突然のできごとに気圧されるも、必死に頭を働かせる。

なんだ…この大量の女性…

考えられるのは…

下の階でも別のパーティーが行われてて…

おそらくマッチングしなかった女性たちの帰りに当たった…か?

 

答えが出た瞬間、口元が緩むmak。

…これはチャンスだ!!!

 

(とんでもなくキレイな女性たち)

(どうせダメで元々)

(声をかけてみようってのは、さすがに虫がよすぎるか…?)

(しかしうまくいけば!!!)

(得られるリターンは……果てしなくデカいッッッ!!!)

 

この時点でのmakの予想は、カンペキに近い。

見落としがあるとすれば…

 

エレベーターの扉が開き、外に出た瞬間、makは一歩踏み出した。

「あのー」

「実は私も別のパーティーでフラれちゃいまして」

「良かったら、フラれた者同士、飲みに行きませんか?」

会場から開放された直後。

タイミングとしては、申し分ない。

連敗した男の、最後の勇気だ。

 

しかし、見事先手を取ったはずのmakに衝撃走る。

(マジかよ)

汗が頬をつたう。

(この女性の目からは…温度が感じられねぇッッッ!)

(まるでこの目は…)

 

時間にして1秒にも満たない間。

しかし永遠に感じられる間。

相手の反応を見ようと次の言葉を出そうとしたその時!!!

止んでいたはずの雨が、makの首元を叩いた。

「ッッッ!!!」

一瞬上空に気をとられた瞬間!!!

(ゾクリ)

全身が総毛立つ。

この感覚は、かつてプロボクサーと戦った時に味わった感覚。

そう、無防備な自分の間合いに鋭く踏み込まれる感覚。

(やばい!やられる!!!)

一瞬、makがそう覚悟したのも無理はない。

それほどまでにたやすく、彼女はmakの間合いを踏み越えた。

 

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…再び時が動き出したのは、彼女の姿が視界から消えた後だった。

臨戦態勢の相手をたやすく横切る身のこなし。

対峙するものすべてを否定する視線。

それはまるで氷のように冷たく、無慈悲で容赦のない態度。

それが最後に残ったmakの気力を根こそぎ奪い取り、心を折ったのだ。

 

彼は見落としていた。

なぜ、自分の参加した会は男女ともに少なかったのか。

なぜ、レベルの高い女性たちがあの場にたくさんいたのか。

 

もう少しだけ考えてみれば、わかることだった。

レベルの高い女性たちが参加する会って???

そう、後で調べてわかったことだが、あのきらびやかな女性たちは、同じ時間にひとつ下の階で開催されていた「プレミアムエグゼクティブパーティー」の参加者だったのだ。

その男性の参加条件は、年収X,000万円以上の医者もしくは個人事業主、つまりは医者と社長狙いの女性たちが集まる場所。

だからこそ、レベルの高い女性が集まり、また他の参加者は、同時間に開催されている時間帯への参加を避けていたのだ。

そして、医者や社長に「選ばれなかった」女性たちの集団。

彼女たちの心境は、いかなるものだったろうか。

…そんなところにノコノコとあらわれたみすぼらしい男。

彼女たちにとってはまるでゴミ虫、いや、視界にも入らなかったかもしれない。

 

そんなこととは露知らず、無邪気にチャンスと声をかけ、ひとり冷たい雨に濡れそぼる男。

1日に3度婚活パーティーに参加し、30名からフラれ、いまだ休みごとに運営から勧誘の電話が鳴る男。

そんな男の長かった戦いが、今幕を閉じた。

雨はいつまでも降り続いていた。

 

 

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…というわけで、いかがでしたでしょうか。

婚活パーティー激闘編。

まさか1日に3回もパーティーに参加するとは思いませんでしたが。

まぁ終わってみると、それもこれもいい経験でした。

そうそう、伏線回収じゃないですが、一緒に参加したマルハシとムラモトは、あの後スカイツリーでランチして、連絡先交換して帰ったそうですよ。

そう思うと、マッチング率は悪くないかも…ですね。

書いてないことも多いので、詳しい話を聞きたい人は、ぜひご連絡ください。

では、次回予告です。

 

 

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次回!婚活ライターmak!

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それではまた来週この時間に!

(次回は4/27更新予定です)