ひげまこのひげログ。

アラフォー独身男子のひげまこが、アラフォーの恋愛事情や日々のできごとを妄想まじえて描いております。

アラフォー男子の婚活パーティー激闘編③

どうも、makです。

野球の試合において、1日に2度試合することをダブルヘッダーと言いますが。

今回は、1日に2度婚活パーティーに参加した男の話です。

 

(②までのあらすじ)

仲間と共に3人で婚活パーティーに挑んだmakだったが…

 

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…女性の前にあえなく撃沈。

運営に促されるがまま、makは次の婚活パーティーへ。

 

 

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「お待ちしておりましたmak様」

黒服が笑顔で出迎えた。

ここは東京八重洲口から徒歩5分。

次なる婚活パーティーの会場だ。

 

時間は14時をすぎている。

どうやらパーティーはすでに始まっているようだ。

朝から何も食べてないので途中で買ったサンドイッチを食べようとしたが、黒服に止められた。

「mak様、すでに始まっていますので、とりあえず部屋にお入りください」

「いやでもちょっとだけ飯を」

「女性がお待ちになっていますので」

…押し切られる形で部屋に入る。

 

そこには退屈そうに座る女性が一人。

前半の自分を鑑みるに、おそらく待つ間にテンションが落ちてしまったのだろう。

そう思った瞬間、makのエンジンに火が点いた。

 

「どうもー、makですー」

「いやもう急いで来たんですけど」

「ほらもう昼飯食べるのも忘れるくらい走ってきまして」

「とはいえ女性を待たせるなんて紳士としてあるまじき行為、誠に申し訳ない」

「もうね、これから挽回しますんで、バンバン行きましょう」

「あ、プロフィール書く時間もなかったんで、書きながら話しますね」

 

一気に走りだす言葉の羅列。

例えるなら、短距離走のランナーだ。

息つく間もなくしゃべり散らかす。

 

のちに、その時の様子を黒服はこう語っている。

「ええ、席についた直後でした」

「まさに稲妻、いえ…あれがライトニング・ボルト※というやつだったんですね」

 ※ライトニング・ボルト:人類史上最速のスプリンター 、ウサイン・ボルトの愛称。別名、黒い稲妻。

「席に着いた途端、あんなにしゃべる人、はじめて見ましたよ」

 

…あっという間に5分が経った。

「それでは、みなさん次の部屋に移動してください」

スピーカーから声が流れた。

 

部屋を出てあらためて会場を見てみると、そこは異質な空間だった。

壁で仕切られた、無数にある二人がけの席。

対面ではなく、カップル席のように横に並んで座るからいいものの、これはまるで面接会場だ。

部屋は全部で10〜12だろうか。

よく見ると、最後の部屋の男性は、階段で移動している。

どうやら上の階にも女性がいるようだ。

 

(なるほど、午前の回とはえらい違いだ)

ひとりうなずくmak。

今回は、男性側に年収条件があるコース。

条件が変わるだけで、こうも女性が多いのか。

 

感心する間もなく後ろの人が迫ってきたので、次の部屋へと進んだ。

「どうも、makです」

「いやーすみません、まだプロフィールも半分しか書けてなくって」

「さっき来たばかりなんですよ」

 

…どれだけ喋り散らかしただろうか。

気がつくと、時計の針は15時半を回っていた。

時間にしておよそ90分。

女性の数にして、およそ18名。

それでもmakはハイテンションだった。

なにせ魅力的な女性が多い。

・スレンダーで美人な人

・グラマーでかわいい人

・ショートカットで温和な人

・ロングヘアーでクールな人

それはもう至福と言える時間だった。

 

だがもうそれも終わりのようだ。

黒服が無機質にマイクで喋る。

「それでは皆様、マッチングカードに気に入った相手を6名まで書いてください」

すかさずペンを取る参加者たち。

隣の女性が近いので、見えないよう書き込むのが難しい。

makは前回の反省を活かし、メモっておいた番号を記入した。

 

「それでは、マッチング結果を発表します」

「今回は、女性21名、男性16名の参加でした」

(そんなにいたのか!)

「マッチングしたのは、3組です」

(3組!少な!)

「男性3番と女性6番、男性10番と女性2番、男性18番と女性12番」

「以上の3組です」

「それでは先に女性から退出お願いします」

「マッチングした方は、エレベーターを降りたところで男性をお待ちください」

「本日はご利用いただきありがとうございました」

 

「・・・・・」 

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…人が結婚するまでにフラれる回数は「平均して5.1回」という数字があるが…

前回6人、今回18人、合計24人。

まさかたった1日で、人生5回分の女性にフラれることになるとは、誰が予想できただろうか。

 

…肩を落とし帰路につくmak。

そこに忍び寄る黒い影。

「あのー」

「実はmakさんに相談がございまして」

どこかで聞いたフレーズだ。

声をかけて来たのは、やはり黒服だった。

 

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「makさん、この後17時からもうひとつパーティーがあるんですけど」

「実はそのパーティーも女性に対して男性が少なくて」

「もしよろしければ、makさんにご参加いただけないかと思い…」

 

…人はなぜギャンブルを止められないのか。

一攫千金を狙うため???

それとも当たった時の快感が忘れられないため???

違う。「次こそ当たるのではないか」という希望のためだ。

かつてパンドラの逸話でも警告されている。

人間にとって一番の厄災は「希望」だと。

 

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かくしてmakはパンドラの箱を開け、希望という名の藁をつかんだ。

「次こそ来る…千載一遇のチャンス…ッッッ!!!」

 

 

…1時間後。

ここは東京八重洲口。

東京の玄関口とも言える場所を背に、一人の戦士が再び戦場に舞い戻る。

その男の名はmak。

朝とは違う。その表情は、すでに歴戦の戦士の顔つきだ。

 

「お待ちしておりましたmak様」

にこやかに出迎える黒服たち。

立ち並ぶ個室の数々。

 

「この流れは悪くない」

「むしろいい兆候だ」

「次こそ来る…逆転手…!!!」

最後の勝負の賽が、今振られた。

 

(④につづく。次回は4/20更新予定です