ひげまこのひげログ。

アラフォー独身男子のひげまこが、アラフォーの恋愛事情や日々のできごとを妄想まじえて描いております。

アラフォー男子の婚活パーティー激闘編①

どうも。月曜日のmakです。

「はじめての婚活パーティー」いかがでしたでしょうか。

今回から始まりますのは「婚活パーティー激闘編」

前回のパーティーを皮切りに、婚活という戦場に足を踏み入れたmak。

今回は、同じ会社の3人で婚活パーティーに挑みます。

次こそ(月9ドラマのような)ハッピーエンドは待っているんでしょうか。

3人の運命は?

 

=======

それは春にはまだ少し早い、小雨降る日の朝。

「ついに来たか…」

そうつぶやくmakの前にそびえ立つ巨大な塔。

それはツリーと呼ぶにはあまりにも大きく、高く、そして無機質すぎた。

ここは東京スカイツリー

日本で最も高い建造物のもと、熱き戦いの火蓋が、今切って降ろされる。

 

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<mak>

アラフォー独身男子。

短髪のヒゲ男。

好きな食べ物は、サダハルアオキのマカロンショコラ。

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「しかしはじめて来たスカイツリーが婚活パーティーとは」

「とても地元の親には言えないっす(笑)」

そう言って笑ったのは、マルハシだ。

 

<マルハシ>

アラサー独身男子。

スポーツ万能、特にフットサルが上手い。

イメージは、左足の強烈なキックを持ち味とする攻撃的サイドバックセレッソ大阪の丸橋で。

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「……でも、本当に大丈夫でしょうか?」

心配そうにしているのは、ムラモトだ。

 

<ムラモト>

アラサー独身男子。

チームのブッコミ隊長で、スノボーが上手い。

イメージは、お笑い界のブッコミ芸人、ウーマンラッシュアワーのムラモトを採用。

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実はこの日、ムラモトは受付に必要な身分証明書を忘れてしまい、どうにかできないか探っていたのだ。

「まぁ、なんとかなるさ」

そう言いながら、3人は婚活パーティー会場の扉を開けた。

 

 

=======

パーティー当日の2週間前。

話のきっかけは、makの婚活パーティーだった。

 

「makさんズルいっすよ!」 

「1人だけ抜け駆けして。」

この会社の朝には、よくある風景だ。

「次は3人で行きましょうよ!」 

「行くなら大手に決まりっしょ」

「あ、コレとかどうすか」

うちの会社はほぼ男子、働き盛りのアラサー男子の集まりだ。 

そして特にうちのチームは、今偶然、みんな彼女がいない。

 

「こうしましょう!」

まとめるのは、いつもマルハシだ。

「ムラモトが話しかけて、俺が盛り上げ、makさんが引き留める」

「完璧な連携プレーっしょ!」

さすがマルハシ、それぞれの得意分野を理解したフォーメーション作りが上手い。

いつの間にかもう3人で行くことになっているが、まぁとにかく、対婚活用即席チームの完成だ。

 

こんな感じで話はトントン拍子に進んだ。

……ある一点を除いて。

 

「makさん残念なお知らせが」

ムラモトが言う。

「相手の女性20歳代のプランは、男性の年齢制限がありまして。」

「どれも35歳が上限みたいっす。」

 

…突きつけられる厳しい現実。

アラフォー男子には、参加資格すらないというのか!!!

「嘘でしょ!」

と荒ぶるmak。

結成わずか5分。早くもチーム解散か。

「マジで!お金を出したとしても!」

「アラフォーはもうそんなに市場で需要ないの!?」

「ちょっと待って!探すから!みんなで行けるやつ探すから!」

 

…15分後。

そんなこんなでようやく見つけたパーティーが、今回参加するパーティーだ。

・主催:某大手 婚活運営会社 エ◯シオ

・開催場所:東京スカイツリー

・参加年齢:男性30代、女性20代(〜男性年上編〜)

・参加費:男性:7500円、女性:3000円

・開始時間:朝10時30分

 

…日程は決まった。

あとは、その日までに組み上げて行くだけだ。

「そしたら、行く前にルールだけ決めておきましょうか」

・全員ガチで行くこと。

・もし3人中1人がカップルになった場合は、残り2人でおとなしく反省会。

・もし3人中2人がカップルになって1人がポツンとなった場合は、残り1人をフォローすること。

・もし3人ともダメだった場合は、飲んで帰りましょっか。

マルハシの案に、2人は静かにうなずいた。

(絶対カップルになってやる!!!)

 

=======

その日からしばらく、3人の研究に余念はなかった。

・他の人の体験記の読み込み

 「こんなブログ見つけたので共有するっす」

・服装

 「ちょっと裏切り行為なしのために、どんな格好で行くか一回パーティー用の服で出勤してみましょうか」

・髪型

 「あれ?ちょっとマルハシさん!散髪行ってるじゃないですか!」

そして、思ったより早くその日は来た。

 

=======

パーティー当日。

時計を見ると、時刻は7時30分だった。

窓から見える空は曇り。

雨かと思ったが、なんとか持ちこたえたようだ。

朝飯を食べようかと思ったが、どうせすぐパーティーだと思い、そのまま向かった。

スカイツリーで合流し、エレベーターで会場を目指す。

不思議な感覚だ。

すれ違う女性、すれ違う女性が、みんな参加者に見える。

「まぁ、なんとかなるさ」

それはもしかすると、ムラモトではなく自分に言った言葉かもしれない。

3人は会場の扉を開けた。

 

=======

「すみません、身分証忘れちゃって」

「クレジットカードと名刺しかないんですが」

『では、名前が書いてあるカード、とにかく全部見せてください』

身分証明書を忘れたムラモトが受付のお姉さんと交渉している声を背にし。

受付を済ませたmakとマルハシは、中へと進んだ。

 

…そこは、不思議な空間だった。

想像していたパーティー会場ではない。

目の前は大きなホールではなく、いくつもの扉だった。

どうやら壁で仕切られた小部屋が並んでいるようだ。

部屋の数は、6つだろうか。

数えている間に、4番の部屋に案内された。

自分の番号は5番なのに、部屋は4番。わけがわからない。

マルハシは1番の部屋に案内されていたが、何番だったのだろうか。

受付の女性から、まずはプロフィールカードを書けと案内された。

小部屋の外を見ると、受付横のソファーでムラモトがプロフィールカードを書いている。

部屋の数が足りなかったのだろうか。

まぁとりあえず書くか、と持ってきたペンを走らせていたら、受付が急に賑やかになった。

…女性陣の登場だ。

 

受付終わった女性陣が、次々に部屋に入っているらしい。

隣からは、楽しく会話する声が聞こえ始めた。

人の会話に耳をそばだてようとした時、スピーカーから声が流れた。

「それでは、今日の流れをご説明します」

「備え付けの画面にビデオが流れますので、御覧ください」

 

<ビデオ>

・本パーティーは「一対一着席型のパーティー」です。

・5分間の会話後、男性がひとつずつ番号の大きい部屋に移動してください。

・全員と会話後、お手元のマッチングカードに気になる人の番号を記入ください。

 

なるほど。

まずはお決まりの回転寿司方式の自己紹介ということか。

このmak、その方式は…すでに知っている!!!

makの口元があやしくゆがんだ瞬間、スピーカーから声が流れた。

 

「それでは、スタートです」

 

…ってちょと待てちょと待てお姉さん。

makの相手は誰ですのん?

お話、しろと言われましても誰もいないからできません???

 

スピーカーは続ける。

「なお」

「本日は女性に対して男性の参加者が多いため」

「目の前に女性がいない場合は、休憩時間としてください」

「それではどうぞ」

 

堰を切ったように、両側から聞こえる楽しげな声。

誰もいない空間。

makは窓に近づき、スカイツリーからの景色を眺めた。

窓の外では、雨が降りだした。

 

(②へ続く)

 

 

 

はじめての婚活パーティー⑥

人物紹介

・女子B:通称(リナさん)

 都内で受付嬢をしているアラサー女子。イメージはドラマ「ファーストクラス」に出てくる受付嬢「大久保円香(知念里奈)」を採用。

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どうも、makです。

今回で最終話、ようやく今回の話で「はじめての婚活パーティー」の結末がわかるのですが、ゲームと違ってやり直しの効かない人生、makが最後に選んだルートの結末は…

 

(ごくり)

いつの間にかバックミュージックはなくなり、静寂の中聞こえるのは、自分の唾を飲み込む音だけだった。

司会者「それではカップル成立なるかッ!みなさまお手元のカードを開封ください!」

 

最終ジャッジが下されるその10分前。

makは静かに一人の女性の名を書いた。

 

最終アピールタイム

最初に浮かんだのは、「確かめたい」という感情だった。

迷いがあると言えば、ウソになる。

だが、この最終アピールタイムですべてを決めなければならない。

makはひとつ深呼吸をし、宙を見つめた。

かすかな予感はある。

あとは、その予感を確かめるだけだ。

アピールは一人、また一人と終わり、自分の番が近づいてきた。

司会者「次、5番(mak)さんです」

 

やけに空気がひりつくのは、気のせいだっただろうか。

makは静かに立ち上がり、一人の女性を見た。

 

麗子お嬢様だ。

 

makの恋愛経験は少ない。

しかし、これまでの経験上、ひとつだけ確信を持っているものがある。

目を見ればわかる

 

目を見れば、自分への感情がわかるはずだ。

何をしゃべるかは、どうでもいい。

立ち上がって、ただ相手の目を見るだけ。

 

makが視線を向けたのは、時間にして1秒にも見たなかった。

…が、彼の目が麗子お嬢様の目を捉えることはなかった。

 

(サッ)

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…やはり今日の空気はひりついている。

とりつくろうように他の人にも視線を送ったが、乾燥した空気のせいか、あまり目を開けていられなかった。

この後、自分が何を話したかは覚えていない。

 

最後の選択

婚活パーティーに行った人ならわかると思うが、最後に自分がカップルになりたい人を書くこの「投票用紙」ってやつは面白くって、複数人の名前(番号)が書けるようになっている。

いわゆる「第◯希望」ってやつだ。

 

この日は第三希望まで書けるようになっていた。

しかし聞いてくれ。

第三希望まで書けるって、どういうことだ。

ここでも人生の妥協を強いられるのか?

第三希望の人とカップルになって「いやー良かったです」なんて言って笑う?

そんな人生まっぴらゴメンだ。

書くのは一人だ。

makは一人の女性の名を書いて、用紙をたたんだ。

 

最終ジャッジ

何にでも嫌な時間というものはある。

今日で言うと、一番イヤだったのが、この運営側が投票用紙を元にカップリングしている間の待ち時間ってやつだ。

何がイヤって司会者が、

「今この待ち時間に、みんなLINEやメルアド交換するチャンスですよ!」

と言って仕切りにはやしたてるのだ。

正直、もうそれぞれが「選択した段階」で、選ばれるかどうかもわからないやつと連絡先を交換するだろうか。

そんなやつはいない。

もしいたとしても、そんな肉食系の人間は、婚活パーティーには来ないのだろう。

結局ひとりも席から動かず、気まずい空気の中、ようやく運営が司会者に紙を渡した。

 

司会者「みなさま、お待たせいたしました」

「今回、15組の中で見事カップルになったのは…なんと 8組 です!!!」

「それでは順番にカップリングカードを配りますので、中を見て見事カップルになった方はこの場に残って」

「選ばれなかった方は、先にお帰りください」

 

なんと残酷なシステムだろうか。

誰かが「背中の傷は剣士の恥」と言っていたが、敗者はそのうなだれた背中を勝者に見られながら帰ることになるのか。

…そんなことは露ほども思っていないだろう運営者からカードが手渡され。

 

(ごくり)

いつの間にかバックミュージックはなくなり、静寂の中聞こえるのは、自分の唾を飲み込む音だけだった。

司会者「それではカップル成立なるかッ!みなさまお手元のカードを開封ください!」

 

 

…makは静かにカードを開け、そして一人トイレに向かった。

隣のジャニーがグッと拳を握る姿が視界の端に入っていた。

勝者と敗者が交差する瞬間を見るのは、あまり好きじゃない。

しばらくトイレに座っていると、外に通じる扉の音が聞こえてきた。

おそらく選ばれなかった人が、先に帰っているのだろう。

 

落ち着いた頃に席に戻ると、残ったメンバーはカップルで座っていた。

そこには、ジャニーと共に座る麗子お嬢様の姿もあった。

makは、一人待つ女性の隣に座った。

リナさんの隣だ。

 

そう、実はこぼしたドリンクを片付けた後に少し時間があり、デザートを食べながら話をしていたのだ。

リナさんは受付嬢で、日頃からオペレーションを大事にしている分、今回の段取りはかなり気になっていたらしい。

そこで意気合同した二人には時間が足りず、「もうちょっと話したいですね」とか言っていた。

もう少し話をしたい女性と、話を打ち切られた女性。

おそらく麗子お嬢様は、ジャニーへ一本道だろう。

ただ、リナさんの名前を書く前に、それだけ確かめたかったのだ。

(とはいえ目も合わせてくれないという予想以上のダメージを食らったのだが)

 

LINEを交換し、おみやげをもらってコートを羽織る。

長き戦いが終わった。

 

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エピローグ

会場を出た後、カップルになったメンバーはその場で晴れて連絡先を交換し、皆で飲みに行くという。

リナさんを誘ったが、「この後用事がある」ということだったので、カップルの中ひとりで参加するのも気まずく、一人そのまま帰路についた。

(ジャニーと麗子お嬢様も行くって言ってるし)

 

その夜、リナさんのLINEに「来週あたり飲みに行きましょう」と連絡したが返事なく、数日後、友達リストからも姿を消していた。

おそらく、機種変更でもした際に、間違ってIDが消えてしまったのだろう。

ケータイショップに来るクレームでは、よくある話だ。

 

そろそろ季節は春。

初デートは花見もいいなと思うmakであった。

 

END

 

 

次回予告!

婚活パーティー第二弾!!!

今度は団体戦だ!!!

東京最高峰!スカイツリーで開催される婚活パーティーに挑む3人の男たち!

「春が近いと思うこの時期ですが、まだまだ気温の乱高下にご注意ください」

 

 

はじめての婚活パーティー⑤

(④までのあらすじ)

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どうも、makです。

「はじめての婚活パーティー」も、次の⑥で最終回です。

今回行ってわかったのは、婚活パーティーという場は「実際の戦場さながら、本当に精神を削られる場所だ」ということでした。

これまで出会いが少なかった人間にとってみれば、この2〜3時間の間に、人生で経験した出会いと別れがギュッと濃縮されたような感覚。

そしてその出来事に一喜一憂する心の乱高下

もう終わったその日は家に着いてソファーに座った瞬間、ぱたっと寝てしまったのを覚えています。

そこまでに精神を消耗させたのは、すべてここからの出来事でした。

いったい後半戦に何が起こったのか。

そしてmakは?

すべては、ここから明らかに。

それでは「はじめての婚活パーティー」最終章、スタートです。

 

最後のフリートーク

「makさんお話しましょ!」

そういって振り返った先にいたのは、麗子お嬢様だった。

makは自分の顔が紅潮するのを悟られないよう、努めて簡単に「ぜひ」とだけ答えた。

思えば立て続けに起こるイベントで、誰かとゆっくり話ができたのは、これがはじめてだったと思う。

 

makはとにかく喋った。

自分の住んでいるところ、今の仕事、休日の過ごし方。

途中でイケガミが「俺とも話そうぜ」と割り込んで来たが、

『すまないが後にしてくれないか』

そう言って一蹴した瞬間が、一番気持ち良かった。

 

おそらくフリータイムのほとんどを、麗子お嬢様との話に費やしたと思う。

流れが変わったのは、同じ区内に住んでいることがわかり、『一緒に飲みに行こう』と意気投合した後だった。

 

麗子お嬢様が、ふと聞いてきた。

「ところでmakは、いつ◯◯県に帰るの?」

makは最初、意味がわからず、

『盆と正月くらいかなー』なんて言っていた。

「違う違う、仕事では◯◯県には帰らないの?」

誰かが向こうで扉を閉める音が聞こえた。

「私、近いうち◯◯県に帰るんだー。

 だからできれば向こうで一緒に過ごせる人がいいの。」

 

運命の神様ってやつは、いつだって誰かに味方する。

その日はたまたま俺じゃなかっただけで、たぶん彼の味方だったんだろう。

 

「あ、ここにいたんですか。僕も混ぜてくださいよ」

笑顔で入ってきたのは、やはりジャニーだった。

それまで静かだと思っていた空間が、急に賑やかに感じられた。

二人の時間が終わった瞬間だ。

 

「ちょっと聞こえたんですが、麗子お嬢様って近いうち◯◯県に帰るんですか?」

ジャニーが一歩進んだ。

「偶然だなぁ。僕、◯◯銀行で仕事しているんですが、ちょうど4月に転勤で、◯◯県に帰るんですよ」

まだ麗子お嬢様の視界に、makはいただろうか。

「そのことで先月彼女と揉めてフラレてしまって。」

「転勤前に、◯◯県主催のパーティーなら…と思って来てみたんです。」

 

急に横から押された感じがしたのは、気のせいだったのかもしれない。

でもなぜだか距離を感じて、makは一歩踏みだそうとした…が、すでに遅かった。

「じゃあねmak、またお盆に飲めたらいいね」

それがmakの聞いた、最後の言葉だった。

フリータイム終了の鐘がなった。

 

ロスタイム

こういう時に限って、司会はいつもテンションが高い。

が、今日は様子が違ったようだ。

「さぁ、それでは最後に!皆さんから一分間アピールをしていただいた後、いよいよマッチング…の予定だったんですが」

「すみません、デザート配るの忘れてました」

…どこまで段取り悪いんだ。

早く終わってほしい時に限って終わらないのは世の常か。

 

デザートはケーキだったが、案の定、配るのに時間がかかってたので、

「やりますよ」と言ってみんなに回していった。

が、この日は何もかもダメだったんだろう。

配っている最中に、誤って誰かのグラスを倒してしまった。

 

 ガシャン

 

(ほら、なんかいい人ぶってるから)

(いるよね、そういう人)

 

…神はいったいどこまで俺を追い詰めるのか。

いたたまれない視線の中、あわてて床を拭こうとしゃがんだその時。

 

???「段取り悪いと手伝いたくなりますよねー」

声と共に、伸びてくる白い手。

「私もイベントやるんでわかります。今日は見ててずっとイライラしてて」

「一緒に拭くんで、パパッと配っちゃいましょう」

 

まぶしく見えたのは、ライトのせいだったのだろうか。

…見上げるとそこにいたのは、女子Bだった。

 

(最終話⑥に続く:次回は3/16頃に更新予定です)

 

 

はじめての婚活パーティー④

(③までのあらすじ)

クイズイベントのためグループ分けされた婚活メンバー。

実は男性3人とも同じ女性狙いという中、makはどう戦うのかッッッ!!!

どうも。月曜日よりの使者、makです。

いろいろ書きたいことがあるのでまた今回も脇道に入ろうとしましたが、さすがに「続きはよ書け」とか「話が進まない」とか言われるので、今回はとっとと本編に入ります。

まずは、グループのメンバーを紹介しましょう。

グループメンバー

・女A:通称(麗子お嬢様)

 男性3名から狙われている女性。北川景子似のため、ドラマ「謎解きはディナーの後で」の役名「麗子お嬢様」をニックネームに採用。32歳。

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・女B、C

 いい人たち

 

・男A:通称(ジャニー)

 声がはっきりと通り、さわやかでスポーティ。ドラマやマンガに出てくるイケメンそのままを実在化したような人物で、職業も公務員と非の打ち所がない強敵。通称はもちろんジャニーズから。34歳。

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・男B:通称(イケガミ)

 フリータイム中、ずっと麗子お嬢様をマークしていた男。

 そのぴったりマークを外さないディフェンスから、イケガミと呼ぶことにした。

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・男C:通称(mak)

 アラフォー独身ヒゲ男。

 今日は勝負のため、もっとも信頼のおけるUNIQLOで全身を固めている。

 最初の自己紹介では複数の女性から日本人かどうかの確認が入り、貴重な時間の半分を、ほぼその説明に費やしてしまった。

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それではクイズのルールを説明します。

クイズは全部で10問。

すべて◯◯県にちなんだ問題です。

一番正解の多かったグループには豪華賞品(名産品)が贈られます。

それでははりきっていきましょう、第一問!

 

…おおっと、スタート直後、やはり動いたのはイケガミ!!!

さっそく麗子お嬢様の隣の席をしっかりマークだー!!!

「ねぇどれだと思う?」など、超ベタな質問!!!

さしておもしろくないが、会話は成り立っているッッッ!!!

 

そして次に動いたのはジャニー!!!

「難しいですね…ちなみに麗子お嬢様は◯◯県にいつまでいたんですか」

と、クイズを考えると見せて、さりげなく情報を引き出すうまい質問だー!!!

 

おおっとmakは? makがいないぞ?

なんとmakは率先して画用紙とペンを取りに行っているーーーッ!?

そっちじゃなーーーい!!! ここは婚活パーティーだーーー!!!

早くも一歩出遅れか!!!

そしてなぜ彼はまた満足気なのかーーー!!!

 

さぁmakが回答用紙を取りに行っている間に!!!

すでに麗子お嬢様の両サイドはしっかりガードされてしまったようですッ!!!

これは二人のナイスディフェンスですね。

初動としては満点と言えるでしょう。

その点makは…あー、女B、Cに声がけしてクイズに集中しているようですね。

この集中を目標の女性に向ければいいのですが。

 

おおっと、どうやら他のグループも!?

クイズよりフリートークに力が入っているのか、盛り上がって司会の声が届いてない模様ですッッッ!!!

これはいけませんね。

一問に時間をかけすぎて、とても時間内に終わりそうにありません。

 

あーっ!!! 司会がついに!!! 5問目を最終問題にしてしまったー!!!

やはり時間配分をミスったようですね。

サカリのついたした男女が思うように動くわけないですよ。これは痛いですね。

 

さぁmakのグループは?

いつの間にかメンバー巻き込んでちゃんとクイズをやっていますが…

二人のディフェンスに阻まれたあげく、結局クイズの話題に終始して、

結局目当ての麗子お嬢様とは

ろくに会話しないままクイズが終了ォーーッ!!!

 

…まさに予想通りの動きですね。

みんなを巻き込んでクイズを進めたことはグループワークとしては満点ですが、恋愛活動としてはまたしても0点です。 

 

ハーフタイム

さぁ、クイズをきっかけに会場もあたたまってきたところで!

パーティーはそのまま後半戦、フリートークに入りますが…

前半ポイントを大量リードされたmakに、逆転の目はあるんでしょうか。

…このままでは難しいですね。

このハーフタイムでうまく流れを変えることができればいいんですが。

…っっっっっって見てください!

呑気にまた飯食いはじめたmakの背後にあの人がッ!!!

 

「makさんお話しましょ」

 

その人影は…なななんと「麗子お嬢様」???

 

「makさんとはあんまり話できてないから」って

おおおおおッッッ!!!

これはもしや…!!! 

まさかのカップル成立ルート…!?

 

このまますんなりカップルになるのか。

リアルドラマは展開されるのか。

次回、婚活パーティー地獄編、お楽しみにください。

 

(⑤に続く:次回は3/12頃に更新予定です)

 

はじめての婚活パーティー③

(②までのあらすじ)

婚活パーティーのルールがわかっておらず、クイズイベントのグループ分けを決める大事な女の子の番号をヤマカンで書いて提出したmakだが…

どうも。普段着はUNIQLOmakです。

本編に入る前に、ほとんどの人にはどうでもいいことだと思いますが、ここで少しだけ当日出てきた料理についてご紹介します。

ちょうど実際のパーティでも番号の集計中に料理が出てきたので、順番的にも少しだけ寄り道いいですよね、ね。

 

というわけで、今回出てきたのは我が地元◯◯県の食材を使った料理、

  • バゲットに◯◯県の何か乗せ
  • 野菜サラダ(たぶん◯◯県で取れたもの)
  • ◯◯鯛を焼いたヤツ
  • ◯◯生姜を肉かなんかで包んで揚げたもの

…などなど、参加費6,000円にしては、本当に美味しいものばかり。

 

とりわけ美味しかったのは「◯◯豚ロース肉のオーブン焼き」で、香草と塩加減の相性が絶妙かつ焼けた脂身がじゅわーっと口の中でとろけて跡形もなく消えていく…

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…と、何がすごいかって、何せ料理が出る度に運営の皆様が大騒ぎ

興奮しながら「これが◯◯魚のほにゃららなのね」とか「こんなに大っきい◯◯豚を見たの私はじめてー」とかもう騒いで騒いでみんなで料理の撮影大会

 

あのー、番号の集計はどうなってるんすかね。

スタッフ全員こっち来ちゃってるみたいですが。

(と言いつつも、ちゃかり撮影には参加するmak)

 

さらに気になるのは、料理や飲み物を取りに行く人たちの待機列。

次の料理が来るのに下げられない皿。

そして狭い会場内を料理めがけて好き勝手に動く人の群れ。

もう身動きが取れなくて仕方ない。

 

そんな状態なんですが、おそらくですよ、おそらく本来であれば、今は食事&フリートークの時間としてお目当ての人に話しかけるのが正しい時間の使い方なんじゃないでしょうか。

 

だがしかし!!!

こんなカオスな状態を見逃せって!?

こんな最悪な段取りの中、笑って会話しろですって?

そりゃあ無理ってもんです!!!

はい、もうほんと予想通りの行動とっちゃいました。

 

「あの、料理これもう取り分けるんで、奥から回してもらっていいですか」

「飲み物はたぶんみんな並ばずに、男がまとめて注文したほうがいいっすよ」

「空いたお皿はどんどんまとめて厨房に持っていきますねー」

 

……というわけで!期待通り!!!

まっっっっっったく女性と適切な会話をしないまま!

無事、一度目のフリータイム、終了ッッッ!!!

 

…これってもちろん「狩人としては完全に0点」です

この婚活という厳しい戦場で勝ち抜くためには!!!

やはり気になった女の子とは少しでも話すべきでしたが…

もちろん、その時の脳天気なmakはそんなことにはまったく気づかず!

むしろなんだかやりきった感で、ドキドキと集計の発表を待っていました。

 

そして、司会が読み上げます。

今後の展開を左右するグループ分けは…

(ドララララララ………ドン!)

 

見事!気になる女の子と同じグループになりました!!!

ヤマカン的中、チャンス到来です。

 

そんなグループのメンバーは、男3の女3。

「よし!クイズ1位とってやろうぜ!」と手に手を取り合う男たち。

男たちの狙いはひとつ……そう、実は

「3人全員、同じ女の子狙い」

 

さぁ!骨肉のクイズ大会、スタートです。 

(④につづく)

 

 

 

はじめての婚活パーティー②

(①のあらすじ)

男性としての市場価値が毎日底値を記録しているアラフォー男子が、はじめて婚活パーティーに挑んでみるが

どうも、makです。ゴリラの血液型はすべてB型と言いますが…今回はA型独身男子のお話です。

 

婚活パーティー当日。

会場探してさまようmak。

見つけたかもしれない……が、なんだろうこのあやしい雰囲気。

 

立て看板「◯◯パーティー会場へようこそ!」

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…道端に突然存在する立て看板。

他に看板もないが、本当にここで合っているのだろうか。

あやしさ満点だが、虎穴に入らずんば虎子を得ず!

とりあえず、中に入ってみるとする。

 

いざパーティ会場へ!

ザッザッザッ…(ドラクエの階段を降りる音)

階段を降りると重厚な扉。

開けた瞬間!!!

帰ろうかと思いました(ToT)

 

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mak(何これ)

そこには…かつて見た牧場のようにギッチリ並んだイスに腰かける男女の姿。 

一斉に向けられる好奇の目。

自分も今からこの中に入るのかと思うと…もうそれだけでそれだけで…

(写真はイメージです)

 

気分はすっかりドナドナですが、ここまで来て帰るのもなんなので、

入口の人に身分証見せてお金を払って…

パーティースタートです。

 

運営者「makさん、あなたは今日は5番さんです」

…番号で呼ばれるとは、ここは本当に牧場か?

 

楽しい婚活パーティー

そんなこんなでついにはじまってしまった婚活パーティー。

まずは運営者による概要説明。

うんたらかんたら言ってましたが、どうやらざっとこんな感じっぽいです。

  • 全体概要説明
  • 地元自治体代表者あいさつ
  • シェフあいさつ
  • 自己紹介タイム(2分間の回転寿司方式)
  • グループ分けしてクイズ大会
  • フリートークタイム
  • 最後のアピールタイム
  • 結果発表

これで約3時間の予定とか。

説明の後にさっそく地元代表者とシェフが出てきて、「この活動が地元貢献に…」とか「今日の料理はすべて郷土の…」とかいろいろ言っていましたが、何より耳に残ったのは、とにかく司会者が連呼したこの言葉。

「今日はとにかく楽しんで」

…楽しいの押し売りほど怖いものはない。

どうやら今日は「楽しい」婚活パーティーになりそうだ。

 

自己紹介、はじまる

とか妄想していたら、進行はすでに自己紹介タイムに。

ルールの説明があったが、どうやら回転寿司のように男性が女性陣を順番に回り、2分間で自己紹介をしていくらしい。

「おお、よくあるやつだ」と思ったのも束の間、正直まだ心の準備ができていないまま、自己紹介タイムがスタート。

 

「どうも、makです」

「◯◯です」

 

参加者は15名ずつ。

こんな感じで2分ずつ15名を回っていくのだが、とにかく2分が早い

プロフィールシートを渡して、ざっと目を通しながら会話をする。

やってみてわかったのだが、この2分間に聞けるのはせいぜい2要素ぐらいってこと。

しかもだいたいどっちか一方がしゃべって終わりなので、ヘタすると自分のことだけしゃべって相手のことがまったくわからないまま終わることもある。

 

また、最初に聞いていた話と違うことも多かった。

・年齢

 確か募集条件は「25歳〜40歳」と見た気がするが、実際には40代、50代もいた。ちなみに最年少は29歳(20代は一人だけだった)

・地元出身者だけじゃない

 確か募集条件は「◯◯県出身者」と見た気がするが、実際には東京出身で「仕事でよく行く」「◯◯県が好き」など、参加条件があやふやな人たちもいた

 

なので、プロフィールシートを見て「え!」と思うことが多く、それゆえに2分間が短く感じられたのかもしれない。

 

とはいえ、この自己紹介タイムで少しでも手がかりを残すべく、

みんなとにかくメモをとっている。

 

会話の端々からメモをとるその姿は、まるで面接官

自分の一挙一動をメモされているようで落ち着かない。

 

自分もみんなを見習ってメモを取ろうとしたが…いったい何を書いていいのか。

とりあえず、少ない会話で印象に残ったものを書いていった。

「嵐」

「テニス」

「あべひろし」

「ブレイキングハット」

「タイ7時間」

……大丈夫だろうか。

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とにかくこんな感じで進んでいったので、自分のプロフィールシート、空白でもまったく問題なかったです。

昨日悩んだ時間はいったい何だったのか。ちくしょい。

 

さぁ、誰を選ぶか!

そんなこんなでなんとか15名回り終え。

息をつくのも束の間、すぐに司会者から声がかかる。

 

「はい、では今の自己紹介で ”もう少し話してみたいなー" と思う番号3つに◯をつけて提出してくださーい、それで次のクイズのグループを作りますー」

 

マジっすかッッッ!番号ぉッ!?

ぎゃ、気になった人が何番かなんて覚えてないっすよ!

唯一手がかりになりそうなメモを見るけど…案の定まったくヒントにならない。

(気になった人は、その場で番号に印をつけておけば良かったッッッ!!!)

 

後悔先に立たず。

とりあえず「たぶんあの辺の番号だろう」と直感を信じて◯をつけるmak。

グループ分けの集計の間に配られる料理。

 

……どうなる、グループ分け!!!

(③に続く)

 

 

 

 

 

 

 

はじめての婚活パーティー①

どうも。向井理と同じダウンを着てるのにモテないmakです。

前の彼女にフラレてから「しばらく恋愛はいいかなー」とかカッコつけるフリして毎日ぼぉーっと過ごしていましたが、あるきっかけで日々どんどん男性としての市場価値が底値を更新していることに気づき、

「若くてキレイな嫁さん」

を捕まえるには「やべぇ!市場価値がゼロになる前に動かねば!」と、遅まきながらいろいろあがいてみよう、となった話です。

動機がクズですね、クズ。

まぁそんなわけで、今回は「婚活パーティー」なるものに参加してみました。

※若くてキレイな嫁イメージ

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 どの「婚活パーティー」に行こう?

とは言うものの、いったいどの婚活パーティーに行けばいいのか。

検索すると出るわ出るわ、世の中にはいったいどれほどの婚活パーティがあるのやら!

検索結果をひとつひとつ見ていくだけでもうんざり、この時点でもはや気持ちは半分萎えてましたが、思い出したのは親の言葉。

「地元自治体が運営してるものもあるみたいよ」

確かに、同郷の集まりであれば共通の話題も探しやすそうだし、もし結婚したら里帰りも一緒なのでいろいろ良い面が多いかも!!!

というわけで今回は、

「地元自治体主催の婚活パーティー」

に申し込みました。

なんか自治体運営だと信用できる気もするし。

 

プロフィールシートを作ろう!

申し込んで数日後「抽選の結果あなたが選ばれました」というメールと共に届いたのが一通の封筒。

開けてみると、中にはパーティの案内と「プロフィールシート」

おお!これが噂のプロフィールシート!!!

 

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よし書いてやろうと筆をとるも、ものの2分でその手が止まる。

「趣味や特技」???

うむむ、ここにはいったい何を書けばいいのか!!!

  • 映画鑑賞…マニアックなB級中国カンフー映画とかなので、話が広がらない
  • 読書…ニッチなマンガ中心なので、話が広がらない
  • 運動…ジムでひたすらトレーニングなので、そんなに話が広がらない…

おおお!!!なんと嘆かわしいことかッッッ!!!

このmak、人様と会話になる趣味がないではないかッッッ!!!

 

…しばらくシートとにらめっこをした結果、趣味は空欄で出すことにしました。

同様に、好きなスポーツとか好きな食べ物とかも空欄。

戦いに行く前からこんなとこにトラップがあるとは!!!

こいつは一筋縄ではいかなそうだぜ…

 

 いざ!婚活パーティー会場へ!

というわけでやって来ました当日!

場所は都内某所。

12:00から受付開始、12:30スタートなので、まぁギリギリに行けばいいかなと。

いざ出陣!と家から出たら、出迎えたのは一羽のカラス。

それは伝説のヤタガラスか、それとも不吉を運ぶ悪魔の使いか。

はたしてmakの運命は!!! 

 

 「ギャーギャーギャー」

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(②に続く)